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第1土曜特集 質量分析イメージング法を用いた創薬・医学研究――時空間マルチオミクスの力
メタロミクスに向けた高速・高感度イメージング
High-speed elemental and molecular imaging for metallomics
平田 岳史
1
,
山下 修司
1
Takafumi HIRATA
1
,
Shuji YAMASHITA
1
1東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設
キーワード:
元素イメージング
,
元素・分子の同時イメージング
,
レーザー質量分析法
,
メタロミクス
Keyword:
元素イメージング
,
元素・分子の同時イメージング
,
レーザー質量分析法
,
メタロミクス
pp.626-632
発行日 2023年12月2日
Published Date 2023/12/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28709626
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生体試料中での金属元素の分布状態を調べることで,金属元素の代謝機構や拡散・移動状態の理解,毒性評価,さらには他成分との相互作用などに関するさまざまな情報を引き出すことができる.最近10年間で,質量分析法を用いた標的成分の分布分析(質量分析イメージング法)が急速に進化し,広範囲に分布するさまざまな濃度レンジの標的成分を一度の分析で同時に解析できるようになってきた.さらに従来の質量分析イメージング法では,標的成分はアミノ酸,ペプチド,糖,代謝物などの生体分子に限定されていたが,新規イオン源の開発により,微量金属元素の分布情報に関しても同時に引き出すことが可能となった.メタロミクス研究は潜在的にはその重要性が意識されつつも,主として分析技術の制約から生命化学研究に最大限に活用されてこなかった.しかし,質量分析イメージング法の進歩を背景に,メタロミクス研究の新展開が期待されている.
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