Japanese
English
特集 肺癌に対する薬物治療の最前線
小細胞肺癌の分子サブタイプ
Molecular subtypes of small cell lung cancer
猶木 克彦
1
Katsuhiko NAOKI
1
1北里大学医学部呼吸器内科学
キーワード:
小細胞肺癌(SCLC)
,
神経内分泌腫瘍
,
分子サブタイプ
,
腫瘍免疫微小環境
Keyword:
小細胞肺癌(SCLC)
,
神経内分泌腫瘍
,
分子サブタイプ
,
腫瘍免疫微小環境
pp.493-496
発行日 2023年11月18日
Published Date 2023/11/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28707493
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
小細胞肺癌(SCLC)は進行が早く予後不良であり,過去数十年にわたり治療の進歩は著しくなかったが,日本では2019年以降,免疫チェックポイント阻害薬+細胞障害性抗癌剤併用が初回治療の新規標準となった.近年の分子病理学的研究の進展により,ASCL1,NEUROD1,POU2F3の発現増強および,それらが低発現で炎症性遺伝子発現を伴うサブタイプの4つが認識され,SCLC-A,SCLC-N,SCLC-P,SCLC-Yとされた.4番目のサブタイプは,炎症性遺伝子発現が高くSCLC-Ⅰと称されることが多い.分子サブタイプが明らかになり,サブタイプと腫瘍免疫微小環境の関連を含め,サブタイプに応じた治療戦略に関して多くの研究がなされる時代となった.特に免疫学的に “hot” であるSCLC-Ⅰでは,免疫チェックポイント阻害薬の効果が相対的に高い.現在のSCLCの分子サブタイプの知見と将来の治療展望を概説する.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.