Japanese
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TOPICS 眼科学
アルギニンメチル基転移酵素METTL23変異と正常眼圧緑内障
Arginine methyltransferase METTL23 mutation alters histone H3R17 methylation in normal-tension glaucoma
潘 洋
1
,
岩田 岳
1
Yang PAN
1
,
Takeshi IWATA
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター臨床研究センター分子細胞生物学研究部
pp.283-284
発行日 2023年10月28日
Published Date 2023/10/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28704283
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緑内障は視神経の萎縮により視力低下や視野欠損を引き起こす眼の疾患であり,日本における失明の主要原因となっている.緑内障のなかでも開放隅角緑内障は患者数が最も多いサブタイプに分類される.アジア人における正常眼圧緑内障(normal tension glaucoma:NTG)の有病率は52~92%と白人より高いことが知られている(白人:30~39%)1).また,アジア系アメリカ人は非ヒスパニック系の白人と比較しても,NTGの発症リスクが159%増加することが報告されている2).さらに,NTG患者の約21%は家族歴があり3),遺伝的な要因が関与している可能性が示唆されている.しかし,現在までに,家族性NTG遺伝子はOPTN(optineurin)とTBK1(TANK binding kinase 1)の2つしか同定されておらず4,5),これらの変異はNTG症例の2~3%のみを説明している6).したがって,他の遺伝子がNTG発症に寄与していると考えられる.
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