Japanese
English
特集 異所性脂肪と心血管病
循環器疾患の治療標的としての心臓周囲脂肪
Epicardial adipose tissue as a therapeutic target of cardiovascular disease
八木 秀介
1
,
佐田 政隆
2
Shusuke YAGI
1
,
Masataka SATA
2
1徳島大学大学院医歯薬学研究部地域医療人材育成分野
2同循環器内科学
キーワード:
心不全
,
冠動脈疾患
,
薬物治療
Keyword:
心不全
,
冠動脈疾患
,
薬物治療
pp.191-195
発行日 2023年10月21日
Published Date 2023/10/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28703191
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過剰な心臓周囲脂肪(EAT)蓄積は,冠動脈疾患や心不全の危険因子であることが知られており,EATは循環器疾患予防のための新たな治療標的と考えられる.心血管病の危険因子となるEATを特異的に減少させる薬剤は確立していないが,EATを減少させるためには運動・食事などの生活習慣病の改善を基本とし,薬剤としては代謝改善薬や抗炎症薬が候補としてあげられる.その候補としてスタチン,エゼチミブ,SGLT2阻害薬,GLP-1受容体作動薬,proliferator-activated receptors(PPARs)アゴニストなどがあげられる.血管内物質のみを標的とした従来の治療に加えて,冠動脈,心筋を直接外側から包み込むEATに着目した治療により,さらなる心血管イベントの抑制が期待できる可能性がある.
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