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第5土曜特集 内視鏡医学のすべて――各領域における診断・治療の進歩
神経
神経内視鏡を用いた水頭症の手術
Neuroendoscopic surgery for hydrocephalus
中島 円
1
Madoka NAKAJIMA
1
1順天堂大学医学部脳神経外科学講座
キーワード:
非交通性水頭症
,
第三脳室開窓術
,
中脳水道狭窄症
,
脳脊髄液(CSF)
Keyword:
非交通性水頭症
,
第三脳室開窓術
,
中脳水道狭窄症
,
脳脊髄液(CSF)
pp.1260-1264
発行日 2023年9月30日
Published Date 2023/9/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu286141260
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神経内視鏡による水頭症手術は歴史も古く,1世紀も前から行われてきたが,その変遷には紆余曲折があり,安全性の高いシャント術が確立した当初は,一時期手技として廃れた期間もある.わが国では,ようやく1990年代になり低侵襲的かつ生理的な治療としてふたたび脚光を浴び,軟性鏡による現在の神経内視鏡下第三脳室底開窓術(ETV)手技が確立され,閉塞性水頭症の治療の第一選択となった.近年,脳脊髄液(CSF)の総体流が一定方向に流れるbulk flow theoryに懐疑的な専門家の意見が多く報告されるようになり,ETVにより第三脳室底部から橋前槽への交通をつける意義は,CSFの拍動が脳室から脳実質へもたらす負荷を脳槽へ逃す緩衝作用にあるとされる.わが国では軟性鏡による手術手技が世界的にも特有の発展を遂げ,脳室内周辺の病変に対する内視鏡手術を確立しており,脳神経外科の領域では軟性鏡の扱いを含めた神経内視鏡の専門医を多数輩出している.
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