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第5土曜特集 内視鏡医学のすべて――各領域における診断・治療の進歩
消化器内科
頭頸部・食道癌に対する内視鏡診断と治療における進歩と展望
Recent advances and future perspective in endoscopic diagnosis and treatment of head and neck and esophageal cancer
堅田 親利
1
,
林 隆一
2
,
武藤 学
1
Chikatoshi KATADA
1
,
Ryuichi HAYASHI
2
,
Manabu MUTO
1
1京都大学医学部附属病院腫瘍内科
2国立がん研究センター東病院頭頸部外科
キーワード:
頭頸部癌
,
食道癌
,
内視鏡診断・治療
,
サーベイランス
,
禁酒・禁煙
Keyword:
頭頸部癌
,
食道癌
,
内視鏡診断・治療
,
サーベイランス
,
禁酒・禁煙
pp.1064-1071
発行日 2023年9月30日
Published Date 2023/9/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu286141064
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頭頸部・食道癌の発がん様式は,扁平上皮癌や異型上皮が多発する “field cancerization現象” として報告されている.国際がん研究機関(IARC)はアルコール飲料に関連するアセトアルデヒドをGroup 1発がん物質と認定しており,アルコール代謝関連酵素の遺伝子多型は発生リスクに関連する.食道癌リスク検診問診票(HRA-F model)は食道癌の内視鏡検診に有用な問診票であり,食道粘膜のヨード不染帯(LVL)の程度は頭頸部・食道癌の発生を予測するバイオマーカーである.頭頸部・食道癌の存在診断,鑑別診断,深達度診断において,narrow band imaging(NBI)拡大内視鏡を用いた内視鏡観察は必須の検査方法になった.食道表在癌に対する内視鏡的切除においては,切除標本の病理組織学的所見に基づいて根治性を評価し,リンパ節再発のリスクが高い症例には追加治療を実施する治療戦略が確立された.頭頸部表在癌に対する内視鏡的切除においては,頭頸部表在癌全国登録調査によって安全性と有効性が報告されたが,今後は適応を確立する必要がある.内視鏡的切除後に発生する異時性他臓器癌の発生は予後に影響するため,今後はサーベイランス方法を確立する必要があり,二次予防を目的とした禁酒と禁煙の指導が推奨される.
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