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第5土曜特集 生体イメージングの最前線――絶え間ない技術革新と生命医科学の新展開
イメージングで神経活動を解析する
ホログラフィック光学技術を駆使した神経回路研究
Visualization and manipulation of neuronal circuit activity using holographic microscope
和氣 弘明
1,2
,
加藤 大輔
1,2
,
的場 修
2
Hiroaki WAKE
1,2
,
Daisuke KATO
1,2
,
Osamu MATOBA
2
1名古屋大学大学院医学系研究科機能形態学講座分子細胞学
2神戸大学次世代光散乱イメージング科学研究センター
キーワード:
デジタルホログラフィ
,
ホログラフィック顕微鏡
,
オプトジェネティックス
,
二光子カルシウムイメージング
Keyword:
デジタルホログラフィ
,
ホログラフィック顕微鏡
,
オプトジェネティックス
,
二光子カルシウムイメージング
pp.387-390
発行日 2023年7月29日
Published Date 2023/7/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28605387
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光学技術の進歩により,生体動物において二光子顕微鏡で細胞の構造・機能を可視化することが可能となった.このような技術を用いて,脳神経系であればこれまで記憶,学習,情動に関連した神経細胞集団の活動を可視化することで,その回路動態を解き明かす研究がなされてきた.さらに睡眠や呼吸,食欲などの制御における研究では,特定の遺伝的背景を有する細胞集団のこれらの表現型への関与が検証され,これを光遺伝学による細胞活動操作法(オプトジェネティックス)を用いて実証し,特定の細胞集団の活動が睡眠や呼吸,食欲などの制御に関わることが明らかにされてきた.しかしこのような方法によって実証できる細胞活動は領域が限定され,遺伝的背景を同一にする細胞集団が同一のタイミングで活動する領域に限定される.たとえば,大脳皮質の神経細胞活動は時空間的に多様であり,これを現行のオプトジェネティックスで再現するのは不可能である.筆者らはこれらの問題を解決し,より高次の脳機能を再現し,実証するためにデジタルホログラフィ技術を組み込んだ顕微鏡を構築した.本稿では,その概説を紹介する.
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