実験講座
顕微鏡ホログラフィ
吉岡 亨
1
,
竹中 敏文
1
Tooru Yoshioka
1
,
Toshifumi Takenaka
1
1横浜市立大学医学部第一生理学教室
pp.164-169
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902988
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ホログラフィの技術は1960年代後半に入つて直ちに実用化され,わが国においても理学,工学の各分野に応用され,いまやその技術は確立されたものといつて過言ではない1,2)。医学,生物学方面への応用も時を同じくして始められたが,画期的な成果はまだあがつていない。その理由はいろいろと考えられるが,第一の原因はホログラフィの専門家が,ホログラフィ装置のデモンストレーションという意味でしか生物体を取り扱わなかつたからで,医学,生物学の専門家がこの種の技術を習得し,適当な対象について研究を行なえば多大の成果が期待できよう。
ホログラフィの性格上,観測物体の変形とか流速分布のように変化分を取り出して検出するのに適している。変形と流れについての検出限界は,変形の大きさで50〜100Å3),流速は1μ/sec4)以上となつている。
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