Japanese
English
TOPICS 生化学・分子生物学
ヒト胎児卵母細胞発生過程の体外再構成
Ex vivo reconstitution of fetal oocyte development in humans
水田 賢
1,2
,
大田 浩
1,2
,
斎藤 通紀
1,2,3
Ken MIZUTA
1,2
,
Hiroshi OHTA
1,2
,
Mitinori SAITOU
1,2,3
1京都大学ヒト生物学高等研究拠点
2同大学院医学研究科機能微細形態学
3同iPS細胞研究所
pp.155-156
発行日 2023年4月8日
Published Date 2023/4/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28502155
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哺乳類の生殖細胞系列は,発生初期に運命決定される始原生殖細胞に起源し,卵子あるいは精子へと分化する.これは次世代へ遺伝情報をつなぐ唯一の細胞系列であり,種の保存や進化においてきわめて重要な役割を担っている.哺乳類の生殖細胞発生機構については,主にマウスを用いた研究により科学的知見がこれまでに蓄積され,また近年,その知見を基盤として多能性幹細胞を起点に卵子・精子を作出する試験管内配偶子造成(in vitro gametogenesis:IVG)技術がマウスで確立された1-4).一方で,ヒト胎児の生殖細胞発生を対象とする研究は,倫理的・技術的困難さが伴うため,これまでにほとんど実施されていない.したがって,ヒトにおいても多能性幹細胞を起点としたIVG技術を開発することが,ヒト生殖細胞研究を推進するうえでの鍵となる.本稿では,ヒトの卵母細胞発生の概要と,IVG技術の前段階として,ヒト胎児の生殖細胞を用いた卵母細胞発生過程の体外再構成法について紹介したい.
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