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連載 医療DX――進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識・Vol.8
眼底写真からAIが読み取る全身疾患の可能性
Potential for AI to estimate systemic diseases from fundus photographs
髙橋 秀徳
1
Hidenori TAKAHASHI
1
1自治医科大学眼科学講座准教授,DeepEyeVision株式会社代表取締役CEO
キーワード:
深層学習
,
コンピュータ診断支援
,
健康診断
,
眼底読影
Keyword:
深層学習
,
コンピュータ診断支援
,
健康診断
,
眼底読影
pp.481-487
発行日 2023年2月11日
Published Date 2023/2/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28406481
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◎眼は物を見るために大半が透明な組織で構成され,眼底とよばれる網膜神経組織を簡単なレンズ構成でクリアに視認することができ,20世紀初頭から眼底写真として記録も行われてきた.そのため,切開などの侵襲なく血管や神経を直接観察できる唯一の臓器といわれている.健康診断では眼底写真が撮影され,主に網膜血管の高血圧性変化と動脈硬化性変化,および糖尿病網膜症の病期分類が行われ,全身管理の一助となってきた.健診を受けていない眼科初診者から,高血圧や糖尿病が見つかることもしばしばである.一方最近では,光干渉断層計による網膜断層撮影が普及し,頭蓋内疾患による網膜神経線維層菲薄化が見つかったり,研究レベルであるがアルツハイマー病と断層像との相関が報告されたりしている.本稿では,筆者の自験例を交えつつ,AIが眼底写真より全身疾患を推測している実例から最新の研究までを概説する.
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