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特集 デジタルパソロジー/サイトロジーとAIの進歩
デジタルパソロジーの実践
-――現状の課題と将来の方向性
Implementation of digital pathology
――Current issues and future directions
津山 直子
1
Naoko TSUYAMA
1
1公益財団法人がん研究会がん研究所病理部
キーワード:
デジタルパソロジー
,
whole-slide image(WSI)
,
医療機器
,
人工知能(AI)
Keyword:
デジタルパソロジー
,
whole-slide image(WSI)
,
医療機器
,
人工知能(AI)
pp.179-183
発行日 2023年1月21日
Published Date 2023/1/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28403179
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病理学はその長い歴史のなかで,免疫組織化学やゲノム解析をはじめとする時代の先端技術を活用してきたが,デジタルパソロジーほど病理医の仕事を大きく変えようとしている技術はない.デジタルパソロジーは顕微鏡用プレパラートを高解像度デジタル画像に変換し,ネットワーク上でデータを閲覧・管理することを可能にする技術である.この技術が最近注目されるようになった背景には人工知能(AI),特に深層学習を用いたデータ解析技術の飛躍的進歩がある.病理医不足が深刻化するなか,AIを組み込んだデジタルパソロジーの活用によって,時間のかかる単純作業を自動化し,複雑で複合的な解釈を必要とする症例に病理医はより多くの時間を割くことができるようになり,質の高い医療の提供につながると有望視されている.一方で新技術の実用化には多くの課題があり,まずは専門家である病理医がその価値を正しく理解し,将来の方向性を示していかなければならない.
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