特集 昆虫などによる健康問題
【海外渡航者における昆虫による疾患と対策】
ライム病,ダニ媒介性脳炎
橋本 喜夫
1
1旭川厚生病院皮膚科
キーワード:
マダニ
,
口下片
,
切除
Keyword:
マダニ
,
口下片
,
切除
pp.453-455
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101711
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Case
北欧の旅から帰ってきて紅斑,発熱を伴った症例
患者:27歳,男性.
現病歴:4日前に約2週間の北欧の旅から帰ってきた.一昨日から右肩を中心に少しかゆみのある紅斑がみられるようになり,周辺に紅斑が拡大して20×40cmとなった.昨日からは右肩関節痛と,38℃台の発熱もみられる.10日ほど前,ノルウェーの森で右肩を小さな虫に刺され,自分でむしって除去した.血清ライム病抗体検査に提出したが,結果が出るまでには2週間かかるので,臨床的にライム病と診断し,診断的治療を兼ねてペニシリン系抗菌薬を投与した.3日目から発熱,関節痛は軽快し,紅斑も消退した.血清ライム病抗体(ELISA)も陽性で,約2週間投薬して治療を終了した.
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