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特集 行動嗜癖――ギャンブル障害・ゲーム障害等の実態と対策
ギャンブル行動症
ギャンブル行動の実態
Epidemiology of gambling behavior among the Japanese general population
尾﨑 米厚
1
Osaki YONEATSU
1
1鳥取大学医学部社会医学講座環境予防医学分野
キーワード:
ギャンブル障害
,
病的ギャンブル
,
ギャンブル行動
,
疫学
Keyword:
ギャンブル障害
,
病的ギャンブル
,
ギャンブル行動
,
疫学
pp.582-586
発行日 2022年11月5日
Published Date 2022/11/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28306582
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2020年度の全国調査によると,ギャンブルを行う者は中高年を中心とした男性に多く,過去1年間のギャンブル等依存が疑われる者の頻度は,18~74歳ではスクリーニングテストであるSOGS(South Oaks Gambling Screen)が5点以上の割合は2.2%(男3.7%,女0.7%),PGSI(The Problem Gambling Severity Index)が8点以上の割合は1.6%(男2.8%,女0.4%)であった.この頻度は,前回調査(2017年)より増加しており,先進国のなかでは最も高い部類に入っていた.頻度の高さの要因はパチンコ,スロットの存在によるところが大きい.またインターネットを介したギャンブルが広がっており,危惧される状況だといえる.社会生活障害の中心は経済的問題とそれに伴う家族内の問題であった.ギャンブル等依存が疑われる者は抑うつ・不安,希死念慮・自殺企図,小児期逆境体験,喫煙との関連が強く,心理・精神的問題を併存している実態が明らかになった.依存症,とりわけギャンブル障害に対する国民の偏見は強く,依存が疑われる者のほとんどが誰にも相談できていない実態が明らかになった.依存症対策の認知度は低く,周知が必要である.
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