Japanese
English
第5土曜特集 細胞死のすべて――そのメカニズムと,生命現象・疾患との関わり
疾患と細胞死
放射線による細胞死と組織障害
Radiation-induced cell death and resultant tissue injury
百海 享洲
1
,
武内 智史
1
,
王 美惠
1
,
宮長 真広
1
,
嶋貫 悠
1
,
小林 稔
1,2
,
原田 浩
1,2
Takakuni DOHKAI
1
,
Satoshi TAKEUCH
1
,
Meihui WANG
1
,
Masahiro MIYANAGA
1
,
Yuh SHIMANUKI
1
,
Minoru KOBAYASHI
1,2
,
Hiroshi HARADA
1,2
1京都大学大学院生命科学研究科がん細胞生物学
2同附属放射線生物研究センター
キーワード:
放射線
,
DNA損傷
,
DNA損傷修復
,
組織障害
,
ベルゴニー・トリボンドーの法則
Keyword:
放射線
,
DNA損傷
,
DNA損傷修復
,
組織障害
,
ベルゴニー・トリボンドーの法則
pp.511-516
発行日 2022年10月29日
Published Date 2022/10/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28305511
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放射線照射を受けた細胞内で,ゲノムDNAの二重鎖切断が多数生じて修復しきれなくなった場合,細胞は死に至る.そして,臓器内で多数の細胞が機能を失うと組織障害が生じ,個体の死につながる.放射線によるDNA損傷の程度を左右する因子として細胞増殖能,抗酸化能,DNA損傷修復能,細胞周期といった細胞内の要因と,組織内酸素環境をはじめとする細胞外の要因があげられる.本稿では,これら放射線の生物効果を左右する細胞内外の要因を概説するとともに,ベルゴニー・トリボンドーの法則として理解されている組織ごとの放射線感受性の違いや,放射線による細胞死の様式,さらには組織障害と被曝線量の関係などに関する知見を総括する.
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