Japanese
English
連載 人工臓器の最前線・vol.10
人工血管の歴史と進歩
History and advance of prosthetic grafts
幸田 陽次郎
1
,
岡田 健次
1
Yojiro KODA
1
,
Kenji OKADA
1
1神戸大学医学部附属病院心臓血管外科
キーワード:
人工血管
,
ステントグラフト
,
tissue engineered vascular graft(TEVG)
Keyword:
人工血管
,
ステントグラフト
,
tissue engineered vascular graft(TEVG)
pp.219-223
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28303219
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□Voorheesらがはじめて人工物を血管の代替とする動物実験を報告してから半世紀が経過し,現在は人工血管を用いた胸部および腹部大動脈人工血管置換術や血管バイパス術,人工血管に金属を組み合わせたステントグラフトを使用した血管内治療など,血管外科領域においてさまざまな場面で人工血管が臨床使用されている.1950年代以降,多くの改良が人工血管に加えられ臨床成績の向上に貢献しているが,小口径化や感染抵抗性といった課題は残されている.また,従来の人工血管の改良と並行し,tissue engineeringを応用して細胞成分を人工血管に組み込み,内皮化や自己組織構築を促すtissue engineered vascular graft(TEVG)の研究・開発が世界中で進んでおり,それらは人工血管の課題である小口径化や感染抵抗性を克服しうる可能性を秘めており,その臨床応用が期待されている.
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