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特集 パンデミック下における医療従事者のバーンアウトを防ぐ
パンデミック下の国内外の主要研究から考える対策
Burnout-related research and how to fight against the psychological distress
西村 義人
1
Yoshito NISHIMURA
1
1ハワイ大学内科,岡山大学医学部総合内科・総合診療科
キーワード:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
ワークエンゲージメント
,
リーダーシップ
Keyword:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
ワークエンゲージメント
,
リーダーシップ
pp.195-198
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28303195
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バーンアウトに関する研究は2000年代初頭までは国外発のものが中心で,その内容も単に有病率を報告したり,関連因子を報告したりするといったものが主流であった.2010年代以降は,所属組織のリーダーシップといった非個人因子,バーンアウト対策に目を向けた研究が増えた.一方,国内発の医療従事者を対象としたバーンアウトに関する研究は従前非常に少なかったが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックを契機に国内でもバーンアウトに関連する研究が盛んになってきている.COVID-19パンデミック下に日本で実施された横断研究では,医療従事者のバーンアウトはおよそ30~50%程度との報告が多く,女性や集中治療部所属であることが関連因子である可能性が示された.一方,国内の研究成果は具体的なバーンアウト対策・介入方法を模索するという段階には至っておらず,そのフォーカスもストレス耐性といった個人要因にとどまっている.個人の努力のみでなく,職場のリーダーシップ,支援体制,人間関係を考慮に入れた組織レベルの取り組みが重要である.
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