Japanese
English
TOPICS 糖尿病・内分泌代謝学
インスリンによるタンパク質・脂質代謝制御経路の解明
Regulatory pathways of protein and lipid metabolism by insulin
矢作 直也
1
Naoya YAHAGI
1
1筑波大学医学医療系内分泌代謝・糖尿病内科
pp.1090-1092
発行日 2022年9月17日
Published Date 2022/9/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu282121090
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タンパク質・糖質・脂質は三大栄養素とよばれ,ヒトの身体を動かす主要なエネルギー源である.肥満・糖尿病などの過栄養病態では,糖質から脂質へのエネルギーフローが亢進し,逆にサルコペニア・フレイルなどの低栄養病態ではタンパク質から糖質へのエネルギーフローが増加する.また,絶食時にはタンパク質から糖質へ変換され,食後には糖質から脂質へのフローが増加する.しかし,糖質から脂質へのフローも,タンパク質から糖質へのフローも逆流することはない.すなわち,三大栄養素間のエネルギーフローは一方向性であり,ゆえにそれらの間のバランス維持は厳密に制御されているはずである.筆者は,この「三大栄養素間のエネルギーフローの一方向性」を,“栄養学のセントラルドグマ”(図1)とよんでいる.
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