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第1土曜特集 五感を科学する――感覚器研究の最前線
総論
脳機能局在論から神経ネットワーク論へのパラダイムシフト
The paradigm shift in understanding brain function
――From functional localization to neural network hypothesis
木下 学
1
Manabu KINOSHITA
1
1国立大学法人旭川医科大学脳神経外科学講座
キーワード:
脳機能
,
機能局在論
,
神経ネットワーク論
,
覚醒下手術
Keyword:
脳機能
,
機能局在論
,
神経ネットワーク論
,
覚醒下手術
pp.580-585
発行日 2022年8月6日
Published Date 2022/8/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28206580
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個体が生存を継続するためには常に変化する周囲の環境を適切に理解し,対応することが必要である.このプロセスにおいて,“脳” が中心的な役割を果たしているが,そのメカニズムの全貌と詳細が明らかになったとは言い難い.従来は種々の脳機能の解剖学的局在はあらかじめ決まっており,この脳機能局在はある程度 “固定” されていると考えられていた.しかし近年,この考え方の根底が覆り,さまざまな脳機能が解剖学的局在に縛られているのではなく,むしろ脳全体がひとつのシステムとして固有の脳機能を発揮していると考えられるようになってきた.本稿では,“言語機能” と “運動機能” を例に,脳機能に関する最新の学説を紹介する.
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