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特集 めまい――治療と研究の最前線
前庭神経炎診療ガイドライン2021年版
Diagnostic and therapeutic strategies for Vestibular Neuritis of the Japan Society for Equilibrium Research
肥塚 泉
1
Izumi KOIZUKA
1
1聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科
キーワード:
前庭神経炎
,
診断基準
,
診療ガイドライン
,
クリニカルクエスチョン(CQ)
Keyword:
前庭神経炎
,
診断基準
,
診療ガイドライン
,
クリニカルクエスチョン(CQ)
pp.194-196
発行日 2022年7月16日
Published Date 2022/7/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28203194
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前庭神経炎は,聴覚症状を伴わない突発性の回転性めまい症状をきたす疾患である.めまい発現の7~10日前に上気道感染が先行する症例が多く,ウイルス感染が関与していると推定されているが,血流障害との関連を示唆する報告もある.『前庭神経炎診療ガイドライン2021年版』は,日本医療研究開発機構(AMED)難治性疾患実用化事業難治性めまい疾患の診療の質を高める研究班により作成された「前庭神経炎診療ガイドライン2018年版」(案)をもとに,『Minds診療ガイドライン作成の手引き2014』に準拠して作成した.前庭神経炎の診断には従来,上前庭神経の機能のみを評価することが可能な温度刺激検査が用いられてきた.しかし,前庭神経炎患者のなかに,下前庭神経の機能の障害も有する症例(上・下前庭神経炎)や下前庭神経炎症例が報告されるようになった.今後は温度刺激検査のみではなく,前庭誘発頸筋電位(cVEMP)や前庭誘発眼筋電位(oVEMP),ビデオヘッドインパルス検査(vHIT)などの検査結果を用いた,より詳細な診断基準(部位診断基準)の作成が必要と考えられる.
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