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特集 サーカディアンリズム—基礎から臨床へ
睡眠覚醒リズム障害とその治療
Pathophysiology and Treatment of Sleepwake Schedule Disturbances
太田 龍朗
1
Tatsuro Ohta
1
1名古屋大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Nagoya University School of Medicine
pp.61-67
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204647
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過去10年間に,生体リズムの異常に起因するとされる睡眠・覚醒障害の存在が確認されるようになり,「睡眠・覚醒スケジュール障害」として新たに登場してきたことはよく知られている。米国の睡眠学会と睡眠障害センターがまとめた睡眠・覚醒障害の診断分類は,現在見直し作業が始まっているものの,この10年専門家の間で繁用されてきた。「睡眠・覚醒スケジュール障害」はその分類の4大項目の1つに加えられている。表1に示すように,この睡眠・覚醒リズム障害はさらに2つに分けられ,いわゆるJet lagや交代勤務などによる一過性のものと,長期に固定的に続く持続性のものに大別されている。本稿で筆者が述べるものは,この第2群に属する持続性睡眠・覚醒スケジュール障害のうち,近年その病態生理が次第に明らかになり,かつ治療の方法が工夫されつつある3つの症候群である。
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