Japanese
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TOPICS 細菌学・ウイルス学
脊椎動物ゲノムに隠された1億年にわたるボルナウイルス感染の歴史
100-My history of bornavirus infections hidden in vertebrate genomes
川崎 純菜
1
,
堀江 真行
2,3
Junna KAWASAKI
1
,
Masayuki HORIE
2,3
1京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 RNAウイルス分野
2大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 獣医学専攻
3大阪国際感染症研究センター
pp.272-274
発行日 2022年4月16日
Published Date 2022/4/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28103272
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過去のウイルス感染を追う
有史以来,人類は多くのRNAウイルス感染症と戦ってきた1).こうした状況に鑑みると,われわれの祖先も進化の過程において,RNAウイルスの脅威にくり返し晒されてきたと予想される.しかし,ウイルスは物理的化石を残すことがないため,過去のウイルス感染を調査することは不可能と考えられてきた.最近では,生物の化石や博物館に保管されていた標本の解析により,過去のウイルス感染が調査されつつある2).一方でこうした調査では,最大でも数百年前から数千年前に発生したウイルス感染までしか遡ることができず,それ以前のウイルス感染の歴史は謎に包まれたままとなっていた.
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