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第1土曜特集 発展する脳卒中診療の最前線
脳卒中病態解明の進歩
Embolic Stroke of Undetermined Source(ESUS)の最新動向
Latest trends in embolic stroke of undetermined source
内山 真一郎
1
Shinichiro UCHIYAMA
1
1国際医療福祉大学臨床医学研究センター,山王メディカルセンター脳血管センター
キーワード:
潜因性脳卒中
,
診断基準
,
原因
,
大規模臨床試験
,
抗血栓療法
Keyword:
潜因性脳卒中
,
診断基準
,
原因
,
大規模臨床試験
,
抗血栓療法
pp.1054-1062
発行日 2022年3月5日
Published Date 2022/3/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280101054
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Embolic stroke of undetermined source(ESUS)とは塞栓源不明の脳塞栓症であり,ラクナ,アテローム血栓性,心原性またはそれ以外の原因が明らかな虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作を除外することにより診断されるため,多くの異なった病態が混在している.ESUS患者において直接型経口抗凝固薬(DOAC)とアスピリンを比較した2つの大規模臨床試験(NAVIGATE ESUS試験,RE-SPECT ESUS試験)が日本人患者を含めて行われたが,アスピリンを上回るDOACの有用性を証明できなかった.これらの結果とその後に発表された多くのサブグループ解析の結果から,ESUSの主因は潜在性心房細動であるとはいえず,動脈原性脳塞栓症を含む他の原因が数多く潜在し,重複していることを示唆している.抗血栓療法の適応決定には精力的な原因検索と新たな対策によるエビデンスの構築が必要である.
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