Japanese
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第1土曜特集 発展する脳卒中診療の最前線
脳卒中病態解明の進歩
脳卒中後てんかん
Post-stroke epilepsy
猪原 匡史
1
Masafumi IHARA
1
1国立循環器病研究センター脳神経内科
キーワード:
早期発作
,
遅発発作
,
新世代抗発作薬
,
スタチン
Keyword:
早期発作
,
遅発発作
,
新世代抗発作薬
,
スタチン
pp.1063-1068
発行日 2022年3月5日
Published Date 2022/3/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280101063
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治療法の進歩により脳卒中の死亡率は飛躍的に改善したが,その結果増加する脳卒中生存者にひとたび合併症が生じれば著しくQOL(quality of life)が損なわれる.なかでも,脳卒中後てんかんは治療・予防が可能なため,的確な早期診断が望まれる合併症である.脳卒中発症1週間以内を早期発作(急性症候性発作),それ以降を遅発発作とよび,背景病態が異なる.脳卒中後10年で約10%が遅発発作を発症し,脳卒中再発やアルツハイマー病など他の器質性脳疾患の合併によりその頻度はさらに増加する.脳梗塞症例におけるSeLECTスコア,脳出血症例におけるCAVEスコアにより遅発発作のリスクが評価でき有用である.症候的には明らかな全身性痙攣発作を伴わず,複雑部分発作のみの症例も多いことを念頭に置き,脳波,SPECT,MRI所見などを踏まえて的確な診断が望まれる.早期発作予防にスタチンが,遅発発作の再発予防に新世代抗発作薬が有効であることが報告された.
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