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第1土曜特集 結核と非結核性抗酸菌症Up to Date――診断,治療,感染対策,発病予防
非結核性抗酸菌症
肺非結核性抗酸菌症の診断と,肺Mycobacterium Avium Complex症の病型
Diagnosis of nontuberculous mycobacterial lung diseases and types of pulmonary Mycobacterium avium complex disease
佐野 将宏
1
,
中川 拓
1
Masahiro SANO
1
,
Taku NAKAGAWA
1
1国立病院機構東名古屋病院呼吸器内科
キーワード:
診断基準
,
臨床的基準
,
細菌学的基準
,
病型
,
線維空洞型(FC型)
,
小結節・気管支拡張型(NB型)
Keyword:
診断基準
,
臨床的基準
,
細菌学的基準
,
病型
,
線維空洞型(FC型)
,
小結節・気管支拡張型(NB型)
pp.696-701
発行日 2022年2月5日
Published Date 2022/2/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28006696
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肺非結核性抗酸菌症は,①画像で特徴的な所見を認めること,②他疾患が除外できることの両方を満たし,菌種によらず喀痰検査の場合には2回以上,気管支洗浄液の場合には1回以上の培養陽性が確認できれば診断することができる.診断基準は,1960年代からはじまり数度の更新を得て現在に至る.以前の診断基準では菌種ごとの異なる基準や菌量の基準が設定され複雑であったが,現在のものは臨床現場で簡便に用いることができる.肺Mycobacterium avium complex(MAC)症には5つの病型がある.線維空洞型(FC型)は上葉に大きな結節影と内部の空洞形成を特徴とし,短期間で病状が進行する.小結節・気管支拡張型(NB型)は肺MAC症の大半を占め,中葉・舌区の胸膜直下の小結節の集簇と気管支の肥厚・拡張を特徴とするが病状の進行は遅い.孤立結節型は結節影を認めるのみで肺腫瘍との鑑別が難しい.他に,全身播種型,過敏性肺臓炎型があるが,いずれも頻度はまれである.
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