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第1土曜特集 結核と非結核性抗酸菌症Up to Date――診断,治療,感染対策,発病予防
非結核性抗酸菌症
非結核性抗酸菌症の病理像からみえる病態
The pathogenesis revealed by the pathological image of non-tuberculous mycobacteriosis
日比谷 健司
1,2
,
藤田 次郎
1
Kenji HIBIYA
1,2
,
Jiro FUJITA
1
1琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科
2同病院病理診断科
キーワード:
肉芽腫
,
乾酪壊死
,
空洞
,
滲出性炎
,
免疫再構築
Keyword:
肉芽腫
,
乾酪壊死
,
空洞
,
滲出性炎
,
免疫再構築
pp.683-690
発行日 2022年2月5日
Published Date 2022/2/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28006683
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近年,非結核性抗酸菌(NTM)症の様相は変化してきている.起因菌の変化,菌の証明困難な症例や免疫再構築症候群,およびその類似疾患の増加があげられる.本稿では,NTM症のなかでも患者の約8割以上を占めるMycobacterium avium complex(MAC)症を取り上げ,①感染症の側面が中心の病態と,②宿主の免疫応答が主体の病態,に分けてそれぞれを考えていく.前者は感染菌量が多く,空洞を形成しやすい病態である.後者は感染菌量が少なく,宿主の免疫応答が過剰に働き,時に組織傷害が生じる病態である.従来の線維・空洞型と結節・気管支拡張型においても,本病態のなかで捉えることでそれぞれの病型の逸脱例の理解も可能である.本稿では,このように抗酸菌症の新しい時代に沿った切り口で,過去の結核の病理学的研究で得られた知見を用いながら,NTM症の病態を捉えていく.
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