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第5土曜特集 現代の臨床研究のための統計学2022――洗練された研究デザインと統計解析を理解してみよう
臨床試験の方法
研究設計に役立つ検定と信頼区間の基本知識
-――α,β,期待する群間差,優越性/非劣性試験,サンプルサイズ設定
Basic knowledge about tests and confidence intervals for research design
――Alpha and beta error in test, superiority/non-inferiority trials, and sample size estimation
阿部 貴行
1
Takayuki ABE
1
1横浜市立大学データサイエンス学部
キーワード:
検定のαとβ
,
優越性/非劣性
,
サンプルサイズ設定
Keyword:
検定のαとβ
,
優越性/非劣性
,
サンプルサイズ設定
pp.364-369
発行日 2022年1月29日
Published Date 2022/1/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28005364
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臨床研究の目的は,何らかの疾患に対する治療法の効果の評価であることが多い.これは治療法の因果効果を推測することを意味し,ランダム化比較試験では平均因果効果をバイアスなく推測できるが,観察研究では注意を要する.本稿では,臨床研究者が臨床研究を実際に計画する際に有益な検定や信頼区間の基本知識(αエラー,βエラー,片側・両側検定,検定と信頼区間の関係,優越性・非劣性などの仮説など)をコンパクトに要約する.これらの知識は,臨床研究者が生物統計家と一緒に質の高い研究をデザインする際に必要となる.とくに,検定のロジックや留意点を簡潔に整理し,優越性,非劣性,同等性の各仮説を図示し,その検証方法をわかりやすくまとめる.最後に検定の検出力を考慮したサンプルサイズ設定の方法について解説し,期待する効果の大きさや検出力とサンプルサイズの関係についてまとめる.
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