Japanese
English
第1土曜特集 小児・AYAがんの最前線
脳腫瘍の分子診断の現状と展望
Molecular diagnosis of childhood brain tumors
寺島 慶太
1
Keita TERASHIMA
1
1国立成育医療研究センター小児がんセンター脳神経腫瘍科
キーワード:
WHO分類
,
グリオーマ
,
上衣腫
,
髄芽腫
,
がんゲノム医療
Keyword:
WHO分類
,
グリオーマ
,
上衣腫
,
髄芽腫
,
がんゲノム医療
pp.86-90
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2800186
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小児脳腫瘍は非常に種類が多く,従来の光学顕微鏡による形態学的診断に,分子生物学的診断を統合する流れは一段と加速している.脳腫瘍の国際的診断基準であるWHOが2021年に改訂された.最新の分類に準拠して小児脳腫瘍の形態・分子統合診断をするのに必要と考えられる重要な遺伝子異常について概説した.なかでも,びまん性グリオーマが成人型と小児型に分けて分類された点,上衣腫の分類において部位別に分子生物学的特徴を上位概念とする分類体系となった点,遺伝子異常を主たる診断基準とした新たな診断名が多数追加された点が,本改訂で最も重要な変更点といえる.小児脳腫瘍の治療成績向上のためには,新改訂されたWHO分類に則った診断を基盤とし,分子生物学的リスク層別化と分子標的薬の導入を柱としたがんゲノム医療を実践していく必要がある.
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