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第1土曜特集 自殺の予防と危機・救急対応――新たな局面を迎えた日本の自殺対策にどう対応するか
危機・救急対応の現状
プライマリ・ケア医による自殺予防と危機対応
Suicide prevention and risk management in the primary care setting
宮崎 仁
1
Hitoshi MIYAZAKI
1
1PIPC研究会,宮崎医院院長
キーワード:
プライマリ・ケア(PC)
,
自殺予防
,
自殺リスク評価
,
PIPC(psychiatry in primary care)
Keyword:
プライマリ・ケア(PC)
,
自殺予防
,
自殺リスク評価
,
PIPC(psychiatry in primary care)
pp.92-96
発行日 2021年10月2日
Published Date 2021/10/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2790192
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プライマリ・ケア(PC)医は,地域における自殺予防のゲートキーパーとして重要な役割を担っている.しかし,多くのPC医は “こころを診る” ことに怖れを抱いており,うつや自殺に傾いた人への対応に関するトレーニングを受けていない.PIPC(psychiatry in primary care)は,精神科を専門としない身体科医が,自らの専門領域で適切な精神科的対応ができるようになる教育訓練システムである.PIPCの中核であるMAPSO問診を実践するだけで,PC医でも自殺リスクを含めた精神科的評価が可能となる.PC医の外来で “医学的に説明困難な身体症状(MUS)” をみた場合には,その背後にうつや希死念慮などの精神科的問題が隠れていることが非常に多い.その場合には躊躇なく心療モードに切り替えて,精神科への紹介が必要なケースかどうかの判断を行うべきである.「死にたい」と言われてもうろたえずに,PC医が適切に対応できれば,地域における自殺予防と危機対応に寄与することができる.
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