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第1土曜特集 自殺の予防と危機・救急対応――新たな局面を迎えた日本の自殺対策にどう対応するか
危機・救急対応の標準化
精神科救急医療ガイドライン
-――自殺未遂者対応
Guidelines for psychiatric emergency treatment
――Management after suicide attempt
大塚 耕太郎
1,2
,
杉山 直也
3
,
河西 千秋
4
Kotaro OTSUKA
1,2
,
Naoya SUGIYAMA
3
,
Chiaki KAWANISHI
4
1岩手医科大学医学部神経精神科学講座
2同学部災害・地域精神医学講座
3沼津中央病院
4札幌医科大学医学部神経精神医学講座
キーワード:
ガイドライン
,
自殺未遂者ケア
,
精神科救急
,
自殺予防
,
精神科救急学会
Keyword:
ガイドライン
,
自殺未遂者ケア
,
精神科救急
,
自殺予防
,
精神科救急学会
pp.36-42
発行日 2021年10月2日
Published Date 2021/10/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2790136
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自殺未遂者ケアでは,精神科救急医療機関受療後に家族や地域の関係機関が関与する.かならずしも救急医療機関に精神科医が配置されているとは限らないため,行政が主体となって保健師などと救急医療機関が強い連携により退院後のケアを推進していく事業も認められる.自殺対策基本法による国家的な自殺未遂者ケアの推進を目的として,自殺総合対策大綱に位置づけられた自殺未遂者ケアのガイドラインとその普及の役割はきわめて重要である.ガイドラインは自殺未遂者ケアへの包括的なストラテジーを提示し,実務者の教育とケアの標準化に寄与するものである.ガイドラインが示す臨床手順を現場で応用することで,自殺リスクを減少させるため一助となる.また,精神科救急医療と救急医療のガイドラインは共役性をもたせ,自殺未遂者ケアの現場の実践において,円滑な支援体制の構築に役立つものと考えられる.加えて,ガイドラインを活用するうえでは,ガイドラインの適用範囲やハリスクス者ケアにおける個別性に配慮することが重要であると考えられる.
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