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特集 ヒューマノイドロボットの医療分野での応用
生活習慣病治療におけるヒューマノイドロボットの役割
Humanoid robotic intervention for life-style related disease
入江 潤一郎
1
,
栗原 勲
1,2
,
伊藤 裕
1
Junichiro IRIE
1
,
Isao KURIHARA
1,2
,
Hiroshi ITOH
1
1慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科
2防衛医科大学校医学教育学
キーワード:
生活習慣病
,
肥満症
,
サイコメタボリズム
Keyword:
生活習慣病
,
肥満症
,
サイコメタボリズム
pp.957-961
発行日 2021年9月11日
Published Date 2021/9/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27811957
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肥満や糖尿病,高血圧症に代表される生活習慣病は,過食,身体活動量の低下などの生活習慣の変化によって引き起こされる疾患である.生活習慣病は心血管病のみならず,がん,認知症などの誘因でもあり,先進国の疾病構造の根幹をなしている.さまざまな治療法が開発されているがこれらの疾病の管理は十分とはいえず,とくに肥満症の治療は不十分である.その理由として,肥満の病態が明らかでなく,原因となる患者の行動が精神・心理的因子により影響を受けることがあげられる.肥満者の心理的特徴として,正しい自己評価ができない傾向が知られており,そのため強いストレスに曝されると,食行動異常が生じやすくなると考えられている.このような背景を有する患者に対して,ヒューマノイドロボットを用いたコミュニケーションは,行動の適正化に有益であると考えられ,生活習慣病の外来診療での応用が試みられている.生活習慣病の臨床における新しいモダリティとしてのロボット技術の発展が期待される.
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