Japanese
English
第1土曜特集 構造生命科学による創薬への挑戦
構造解析から創薬へ
フラグメント創薬(FBDD)のための溶液NMR実験法
Solution NMR methods for fragment-based drug discovery(FBDD)
古板 恭子
1
,
児嶋 長次郎
1
Kyoko FURUITA
1
,
Chojiro KOJIMA
1
1大阪大学タンパク質研究所,横浜国立大学大学院工学研究院
キーワード:
溶液核磁気共鳴(NMR)
,
タンパク質
,
リガンド
,
フラグメント創薬(FBDD)
,
相互作用解析
Keyword:
溶液核磁気共鳴(NMR)
,
タンパク質
,
リガンド
,
フラグメント創薬(FBDD)
,
相互作用解析
pp.559-565
発行日 2021年8月7日
Published Date 2021/8/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27806559
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
溶液核磁気共鳴(NMR)法は,創薬においてタンパク質と低分子化合物との相互作用の研究によく利用される手法のひとつである.溶液NMR法は弱い相互作用の検出に優れているため,とくにフラグメント創薬(FBDD)において重要な役割を果たす.溶液NMRによる相互作用実験はリガンドベースの方法とタンパク質ベースの方法に大別される.リガンドベースの方法は,結合が検出できる親和性に制限があることや結合が特異的かどうかを見分けるためには競合実験が必要といった欠点があるが,タンパク質を安定同位体標識する必要がなく,必要なタンパク質の量も少ないため,頻繁に利用される.一方,タンパク質ベースの方法は,タンパク質の試料調製上の困難はあるが,結合の有無のほか,分子認識についての情報が得られるという強力な利点がある.本稿では両者の代表的な実験方法について概説する.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.