増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
腫瘍マーカー
呼吸器系
サイトケラチン19フラグメント
石井 勝
1
,
清野 祐子
2
1埼玉県立がんセンター消化器科
2埼玉県立がんセンター臨床検査部
pp.481-482
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909908
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検査の目的・意義
サイトケラチン19は,主に単一上皮細胞の細胞骨格を構成する分子量40,000,等電点5.2の線維性の蛋白質である.近年,このサイトケラチン19が肺癌組織で発現し,さらにそのサイトケラチン19フラグメント(以下,CK 19 F)が肺癌患者の血中に増加する知見が報告1,2)された.サイトケラチン19のドメイン2ペプタイドのN末端とC末端フラグメントを特異的に認識するマウスモノクローナル抗体が,ヒト乳癌培養細胞株MCF 7を免疫原として作製され,この2種類の抗体(KS19.1抗体とBM 19.21抗体)を用いたIRMA(immunoradiometric assay)キット(セントコア社製)が開発された.この2種類の抗体で検出されるCK19Fはシフラ21-1(CYFRA21-1)と呼ばれる.このCK 19F(以下シフラ)は肺癌,とりわけ肺扁平上皮癌の新しい腫瘍マーカーとしての高い評価が,本邦で筆者ら3)により報告された.
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