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第5土曜特集 生活習慣病の克服に向けたゲノム医療――ゲノム医科学の進展と精密医療の実現
トピックス
生活習慣病とCHIP
Somatic chromosomal alterations detected by DNA microarray intensity
寺尾 知可史
1
Chikashi TERAO
1
1理化学研究所生命医科学研究センターゲノム解析応用研究チーム
キーワード:
クローン性増殖(CHIP)
,
骨髄増殖性疾患
,
次世代シークエンサー
,
DNAマイクロアレイ
Keyword:
クローン性増殖(CHIP)
,
骨髄増殖性疾患
,
次世代シークエンサー
,
DNAマイクロアレイ
pp.486-490
発行日 2021年7月31日
Published Date 2021/7/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27805486
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後天的変異を伴った血球細胞のクローン性増殖であるCHIPは,生命予後,血液悪性腫瘍,老化など幅広い形質の予後の低下に関わる現象である.次世代シークエンサーを用いた末梢血由来DNAシークエンスデータ(主にエクソームシークエンス)の広がりにより,規模の大きな解析が進み,知見が蓄積されてきた.CHIPの生命予後の関連は,動脈硬化性疾患によるところが大きいことが,近年明らかにされてきた.また,2型糖尿病や肥満など,生活習慣病との関連もわかってきた.後天的変異であるCHIPであるが,後天的な因子のほかに先天的な因子である遺伝子多型との関連も知られてきた.さらにCHIP自体は血球細胞に限らず,さまざまな臓器で起こっていることがわかってきた.このようなCHIPは加齢に伴うさまざまな疾患,一般的な老化現象を説明できる可能性があり,治療標的にもなりうるきわめて重要な分野となりつつある.
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