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第5土曜特集 生活習慣病の克服に向けたゲノム医療――ゲノム医科学の進展と精密医療の実現
はじめに
Introduction
伊藤 薫
1
Kaoru ITO
1
1理化学研究所生命医科学研究センター循環器ゲノミクス・インフォマティクス研究チーム
pp.325-325
発行日 2021年7月31日
Published Date 2021/7/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27805325
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- Abstract 文献概要
生活習慣病は運動不足や喫煙,飲酒,ストレスなど好ましくない生活習慣が原因で発症する疾患の総称であり,その予防は臨床リスク因子の認識と低減に力点が置かれている.しかし,このような臨床リスク因子が明確な疾患群においても,遺伝的素因による影響は無視できない.たとえば,生活習慣病の代表的な疾患のひとつである虚血性心疾患では,双子研究により疾患発症に関与する遺伝的素因の割合は50%程度と見積もられている.このように,遺伝的素因の生活習慣病発症に関与する割合はわれわれの予想よりもはるかに高く,臨床リスク因子のみを評価していたのではこれらの疾患の発症は完全には防げないことを意味している.
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