Japanese
English
原著
Solitary Nonepidermotropic T Cell Pseudolymphoma of the Skin
Solitary Nonepidermotropic T Cell Pseudolymphoma of the Skin
田中 正明
1
,
伊藤 薫
1
,
山口 茂光
1
,
坂本 ふみ子
1
,
佐藤 良夫
1
Masaaki TANAKA
1
,
Kaoru ITO
1
,
Shigemitsu YAMAGUCHI
1
,
Fumiko SAKAMOTO
1
,
Yoshio SATO
1
1新潟大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
pp.1171-1176
発行日 1988年12月1日
Published Date 1988/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204018
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新潟県出身の62歳女性の背部正中に生じた浸潤性紅斑を報告した.組織学的にはリンパ球様細胞が真皮上中層に稠密に浸潤し,これらは表皮親和性を示さず,個々の細胞はクロマチンに富み,切れ込みの多いやや大型の核を有する細胞が主体で,NCIも高値を示し悪性リンパ腫が強く示唆された.免疫組織学的に浸潤細胞の多くはhelper/indu—cer T cellの形質を示した.全身的検索で他臓器侵襲を思わせる所見がなかったため切除のみで経過観察しているが,術後4年の現在良好な経過をとっている.1986年,vander Putteらは,組織学的に悪性リンパ腫を疑わせながら良性の経過をとっている3例をsolitary nonepidermotropic T cell pseudolymphoma of the skinと命名して報告している.調べ得た限りでは,それ以後本症の報告はない.自験例は臨床像,組織像ともほぼこれに一致する.本症がT細胞増殖性疾患のどこに位置するか,今後症例の集積と経過観察が必要である.
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