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連載 いま知っておきたい最新の臨床検査――身近な疾患を先端技術で診断・Vol.11
膠原病および類縁疾患の自己抗体検査
Autoantibody testing for collagen diseases and related disorders
浅野 善英
1
Yoshihide ASANO
1
1東京大学大学院医学系研究科・医学部皮膚科学
キーワード:
膠原病
,
自己抗体検査
,
蛍光抗体間接法(IIF)
,
enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)法
Keyword:
膠原病
,
自己抗体検査
,
蛍光抗体間接法(IIF)
,
enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)法
pp.174-179
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27802174
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◎膠原病および類縁疾患の診療において,自己抗体検査は診断に役立つのみでなく,疾患活動性の評価,予後の推測,また治療方針を決める際にも非常に有力な手がかりとなる.現在保険収載されている検査法として,Hep2細胞を用いた蛍光抗体間接法(IIF)とELISA法があるが,実臨床においては各々の利点と欠点を理解した上で適切に組み合わせることにより,自己抗体の有無と意義を正確に評価することが重要である.とくに全身性強皮症と皮膚筋炎においては自己抗体と臨床症状の間に強い相関があり,悪性腫瘍との関連(抗RNAポリメラーゼⅢ抗体,抗TIF-1γ抗体)や短期予後を左右する急速進行性間質性肺疾患との関連(抗MDA5抗体)は実臨床においてきわめて重要である.ELISA法が実臨床において幅広く普及したことにより新たに得られた知見も報告されており,常に知識をアップデートして診療に臨む姿勢が求められる.
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