連載 この病気,何でしょう? 知っておくべき感染症・Vol.9
蟯虫症(コンバントリンを投与しても陰性化しません.どうすればよいでしょうか?)
大西 健児
1
Kenji OHNISHI
1
1鈴鹿医療科学大学看護学部看護学科
キーワード:
蟯虫
,
自家感染
,
ピランテルパモ酸塩
,
メベンダゾール
,
アルベンダゾール
Keyword:
蟯虫
,
自家感染
,
ピランテルパモ酸塩
,
メベンダゾール
,
アルベンダゾール
pp.990-995
発行日 2021年6月12日
Published Date 2021/6/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27711990
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Summary
蟯虫症は日本でも小児を中心に感染者が存在する寄生虫症である.わが国の医療機関ではピランテルパモ酸塩(コンバントリン®)が処方され,通常は良好な治療効果が得られている.しかし,時に同薬を複数回服用し,室内清掃に努め,かつ,家族一斉服用を行っても治療効果が得られない症例がみられ,難治症例と称されている.その原因は不明であるが,自家感染の存在が重要と推測されている.この場合,保険適用外であるが,メベンダゾールやアルベンダゾールが良好な治療効果を示すことがある.抗蟯虫薬は,原則として,初回投薬2週間後に再投薬を行う.さらに初回投薬4週間後に再々度投薬を行うと,より良好な治療効果が得られると思われる.
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