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第1土曜特集 CAR-T細胞療法の現在と将来展望
治療成績
固形がんに対するCAR-T細胞療法の開発動向
Development of CAR-T cell therapy against solid tumors
籠谷 勇紀
1
Yuki KAGOYA
1
1愛知県がんセンター研究所腫瘍免疫応答研究分野
キーワード:
養子免疫療法
,
メモリー分化
,
T細胞疲弊
,
エピジェネティクス
Keyword:
養子免疫療法
,
メモリー分化
,
T細胞疲弊
,
エピジェネティクス
pp.913-918
発行日 2021年6月5日
Published Date 2021/6/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27710913
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キメラ抗原受容体(CAR)導入T細胞療法は,CD19を標的とした治療法が再発・難治性B細胞性腫瘍に著効したことから,今後は固形がんを中心とするほかの悪性腫瘍に対する適応拡大が期待されている.しかし現在のところ,CD19以外を標的としたCAR-T細胞療法では,治癒を見込めるような持続的な臨床効果はほとんど得られておらず,再発・難治症例に対する標準治療として確立するにはCAR-T細胞の機能を高めるための改良開発が欠かせない.CAR-T細胞による抗腫瘍効果を高めるうえで,輸注されるT細胞の質,とくに長期生存能や疲弊誘導の抑制を目指した改変が重要であるが,一方で標的抗原の選択,がん細胞そのものの耐性機序や周囲の免疫抑制環境を改善することも有効である可能性があり,これらの複数の観点からの研究開発が望まれる.
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