Japanese
English
第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
免疫疾患の病態へのアプローチ
T細胞分画と免疫疾患病態
Involvement of T cell subsets in immunological diseases
吉富 啓之
1
,
上野 英樹
1
Hiroyuki YOSHITOMI
1
,
Hideki UENO
1
1京都大学大学院医学研究科免疫細胞生物学
キーワード:
免疫疾患
,
T細胞分画
,
獲得免疫
Keyword:
免疫疾患
,
T細胞分画
,
獲得免疫
pp.689-693
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709689
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
T細胞は獲得免疫の制御に中心的な役割を果たす細胞で,生体防御機構において重要な役割を果たす.なかでもCD4 T細胞は周囲環境により多様な分画に分化し,さまざまな機能を示すことで生体防御に関わると同時に,さまざまな免疫疾患の病態機構にも関わる.CD4 T細胞分画としてTh1/Th2パラダイムが最初に提唱されたが,動物モデルや臨床検体を用いた基礎研究ならびに分子標的薬を用いた臨床研究から,その他の分画による関与が示唆され,その結果,IL-17産生ヘルパーT細胞(Th17細胞),濾胞ヘルパーT細胞(Tfh細胞),末梢ヘルパーT細胞(Tph細胞),制御性T細胞(Treg)など,CD4 T細胞にはさまざまな分画が存在することが明らかになってきた.さらに,Th2細胞などの長らく研究されている分画にも新たな機能があることが明らかになってきた.本稿では,CD4 T細胞分画とその免疫疾患における病態機能に関する最近の知見を紹介する.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.