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連載 いま知っておきたい最新の臨床検査――身近な疾患を先端技術で診断・Vol.4
メタボローム解析の臨床応用
-――悪性腫瘍と精神疾患を中心に
Clinical applications of metabolome analysis to malignancy and neuropsychiatric diseases
野村 文夫
1,2
,
松澤 大輔
3
Fumio NOMURA
1,2
,
Daisuke MATSUZAWA
3
1公益財団法人ちば県民保健予防財団遺伝子診療科
2千葉大学医学部附属病院遺伝子診療部
3千葉大学子どものこころの発達教育研究センター
キーワード:
メタボローム
,
メタボロミクス
,
メタボローム解析
Keyword:
メタボローム
,
メタボロミクス
,
メタボローム解析
pp.308-314
発行日 2021年4月24日
Published Date 2021/4/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27704308
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低分子量代謝物の総体情報であるメタボロームはいわゆるオミックス情報のなかで最も表現型に近いと考えられ,その臨床応用が進んでいる.現時点でメタボローム解析が最も貢献しているのは先天代謝異常症の新生児タンデムマススクリーニングである.消化器領域の悪性腫瘍においても血液試料を用いたメタボローム解析の鑑別診断,リスク診断への応用が期待されているが,とくに早期診断にどの程度有用かについては多施設・多検体によるさらなる検討が必要と思われる.また,精神疾患においても,うつ病病態に対するトリプトファン-キヌレニン経路の関与など,メタボローム解析結果によるバイオマーカー探索への期待も高まると考えられる.
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