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連載 臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学・第20回
再生医療と移植免疫
-――iPS細胞由来再生細胞を他家移植で用いたときに起こりうる免疫反応
Possible NK cell mediated immune responses against iPS-derived regenerated cells in allogenic transplantation
増田 喬子
1
,
河本 宏
1
Kyoko MASUDA
1
,
Hiroshi KAWAMOTO
1
1京都大学ウイルス・再生医科学研究所再生免疫学分野
キーワード:
iPS細胞ストック
,
NK細胞
,
ミッシングセルフ応答
,
HLA-C分子
,
KIR-リガンド不一致
Keyword:
iPS細胞ストック
,
NK細胞
,
ミッシングセルフ応答
,
HLA-C分子
,
KIR-リガンド不一致
pp.809-817
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27608809
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SUMMARY
再生医療は,多能性幹細胞から再生した組織を移植することを目的としているため,移植免疫と切り離して考えることはできない.iPS細胞の登場により自家移植による再生医療が期待されたものの,時間的あるいは経済的な制約が大きいことから,他家移植に適用するという前提で研究が進められている.移植片に対する免疫反応は主にT細胞によるものであるため,その免疫反応を回避するためにはドナーとレシピエントでHLAを合致させる必要がある.そのため,他家移植用として,汎用性が高いとされるHLAハプロタイプホモ型ドナーから作製したiPS細胞株(HLA-ホモiPS細胞)の備蓄が進められてきが,同時に起こりうる免疫学的問題点も指摘されてもきた.最近は,HLAを欠失させることにより拒絶反応を回避しようとする戦略も報告されている.本稿では現状の解説とともに課題についても論じる.
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