Japanese
English
TOPICS 生化学・分子生物学
記憶の持続メカニズムを解明
-――新たな分子記憶の原理
Mechanisms for synaptic memory persistence
実吉 岳郎
1
Takeo SANEYOSHI
1
1京都大学大学院医学研究科システム神経薬理学
pp.807-808
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27608807
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細胞レベルでの記憶の基盤である長期増強(long-term potentiation:LTP)は,グルタミン酸受容体からシナプスへCa2+が流入し,リン酸化酵素であるCa2+/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼⅡ(CaMKⅡ)の活性化を経て長期にわたりシナプス伝達強度が増強する現象である.LTP刺激を受けたシナプスでは一過的なCa2+濃度上昇とCaMKⅡ活性化がみられる.これに対してシナプスの形を支えるスパイン内のアクチン細胞骨格の活性化は30分間以上持続する.この非常に短いCa2+濃度の上昇がどのように長期間持続するシナプス伝達強度へと変換するのかまったく解っていない.
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