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第5土曜特集 糖尿病治療・研究の最前線2021
合併症
糖尿病性腎臓病に対する内因性保護的因子としてのオートファジーの役割
Role of autophagy as an endogenous protective factor against diabetic kidney disease
北田 宗弘
1
,
古家 大祐
1
Munehiro KITADA
1
,
Daisuke KOYA
1
1金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学
キーワード:
糖尿病性腎臓病(DKD)
,
オートファジー
,
栄養応答シグナル
,
mechanistic target of rapamycin complex 1(mTORC1)
Keyword:
糖尿病性腎臓病(DKD)
,
オートファジー
,
栄養応答シグナル
,
mechanistic target of rapamycin complex 1(mTORC1)
pp.468-473
発行日 2021年1月30日
Published Date 2021/1/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27605468
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糖尿病性腎臓病(DKD)は,原因因子(causal factor)としての高血糖状態に起因する細胞内代謝異常に加え,それに対する内因性保護因子の減弱の結果,発症・進展する.オートファジーは,エネルギー枯渇時に自己細胞成分の分解により,生存のために必要なタンパク質を合成する材料やエネルギー源を確保するシステムであるが,酸化ストレス,炎症,小胞体(ER)ストレス,低酸素などを含む細胞内ストレスにより障害を受けた細胞内小器官(オルガネラ),凝集タンパク質などを分解し浄化することにより,細胞機能のホメオスタシスの保持にも重要な役割を果たす内因性保護因子である.近年,DKDの病態形成にオートファジーの低下ならびに,その制御に関わる栄養応答シグナルの変異との関係が明らかになってきた.本稿では,DKDの発症・進展機序におけるオートファジーを中心に概説する.
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