第1土曜特集 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)―― “共生” への道
ウイルスの特徴・疫学
日本で開発中のCOVID-19ワクチン
山吉 誠也
1
,
河岡 義裕
1
Seiya YAMAYOSHI
1
,
Yoshihiro KAWAOKA
1
1東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野
pp.9-13
発行日 2021年1月2日
Published Date 2021/1/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu276019
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2019年12月末,原因不明の重症肺炎が中国・武漢市で多数報告された.その後の解析から,これまで知られていなかったコロナウイルスSARS-CoV-2(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2)を原因とする肺炎であることが明らかになった1).SARS-CoV-2に感染した多くの人は発熱,咳,息切れ,倦怠感などの症状を示すものの重症化せずに回復する.2型糖尿病,慢性循環器疾患,慢性肺疾患などの基礎疾患を有する人,免疫抑制状態の人および高齢者では重症化するリスクが高く,肺炎,多臓器不全などに陥り,死に至ることもある2).2020年9月には,世界の感染者が2,900万人を超え,92万人以上が亡くなっている.日本国内に限っても,感染者は7万人,死者は1,400人を上回っている.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が自然に収束する見込みはなく,収束にはワクチンの実用化が必須である.
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