特集 COVID-19の総括
セミナー COVID-19診療への具体的アプローチUpdate
COVID-19ワクチンの位置づけと特徴
西 順一郎
1
1鹿児島大学名誉教授
キーワード:
▶わが国のCOVID-19ワクチン接種率は2021年には約80%と高かったが,その後次第に低下した.
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▶COVID-19ワクチンの発症・重症化予防効果は,オミクロン株出現前は極めて高かった.
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▶オミクロン株出現後にCOVID-19ワクチンの有効率は低下したが,その後も有意な発症・予防効果がみられている.
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▶2024年度のJN.1対応ワクチンのわが国における発症・重症化予防効果は比較的高かったことが報告されている.
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▶国内外の疫学研究によると,COVID-19ワクチン接種後に死亡リスクは増加していない.
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▶わが国では2025年度秋から,オミクロン派生株のLP.8.1とXECに対応した新たなCOVID-19ワクチンが供給される.
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▶わが国で使用できるCOVID-19ワクチンは,4種類のmRNAワクチンと1種類の組換えタンパク質ワクチンである.
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▶65歳以上とハイリスク者には重症化予防のため接種が強く推奨され,64歳以下の健常者にも発症予防目的で接種が推奨される.
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▶ワクチン開発・生産体制強化戦略に基づき,国内産ワクチンの積極的な使用が望まれる.
Keyword:
▶わが国のCOVID-19ワクチン接種率は2021年には約80%と高かったが,その後次第に低下した.
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▶COVID-19ワクチンの発症・重症化予防効果は,オミクロン株出現前は極めて高かった.
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▶オミクロン株出現後にCOVID-19ワクチンの有効率は低下したが,その後も有意な発症・予防効果がみられている.
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▶2024年度のJN.1対応ワクチンのわが国における発症・重症化予防効果は比較的高かったことが報告されている.
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▶国内外の疫学研究によると,COVID-19ワクチン接種後に死亡リスクは増加していない.
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▶わが国では2025年度秋から,オミクロン派生株のLP.8.1とXECに対応した新たなCOVID-19ワクチンが供給される.
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▶わが国で使用できるCOVID-19ワクチンは,4種類のmRNAワクチンと1種類の組換えタンパク質ワクチンである.
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▶65歳以上とハイリスク者には重症化予防のため接種が強く推奨され,64歳以下の健常者にも発症予防目的で接種が推奨される.
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▶ワクチン開発・生産体制強化戦略に基づき,国内産ワクチンの積極的な使用が望まれる.
pp.1853-1858
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.12_016
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はじめに
COVID-19ワクチン(新型コロナワクチン)が,今回のパンデミックで果たした役割は極めて大きいが,当初の臨床試験で示された極めて高い有効性は,オミクロン株出現後は減衰し,また一過性の副反応の頻度が比較的高いこともあって,その後の接種率の低下につながった.しかしながら,流行を続けるCOVID-19の疾病負荷は依然として高く,ワクチンの重要性に変わりはない.本稿では,これまでのCOVID-19ワクチンの接種状況と知見を振り返り,COVID-19ワクチンの位置づけと特徴について述べる.

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