Japanese
English
特集 アトピー性皮膚炎と誤診される皮膚疾患
研究1
多形慢性痒疹患者の併存疾患についての検討
A study of comorbidities in patients with prurigo chronica multiformis
山本 哲久
1
,
中内 恵美
1
,
大塚 晴彦
1
,
笹瀬 玲奈
1
,
山本 萌絵
1
,
一ノ瀬 里紗
1
Akihisa Yamamoto
1
,
Emi Nakauchi
1
,
Haruhiko Otsuka
1
,
Rena Sasase
1
,
Moe Yamamoto
1
,
Risa Ichinose
1
1宝塚市立病院皮膚科
1Department of Dermatology, Takarazuka City Hospital
キーワード:
多形慢性痒疹
,
Th2サイトカイン
,
デルマドローム
Keyword:
多形慢性痒疹
,
Th2サイトカイン
,
デルマドローム
pp.385-391
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000004145
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●多形慢性痒疹は,慢性痒疹の一型で,高齢者の側腹部,臀部,大腿外側に好発し,ときに前胸部や肩甲部などにもみられ,痒みの強い蕁麻疹様丘疹で始まり,やがて常色から淡褐色充実性丘疹になるのを特徴としている.病態は不明であるが,Th2サイトカイン優位な状態が病態にあり,好酸球数,TARC,血清総IgE値の上昇を認める症例が多い.
●多形慢性痒疹は,デルマドロームとしての発症が疑われることもある.自験例では,併存内臓疾患としては高血圧症,糖尿病,脂質異常症などが多く,慢性腎臓病も母集団に比べて高率に併存していた.
●自験例では,多形慢性痒疹に悪性腫瘍の合併例も高率であった.中には,当科初診時には悪性腫瘍が発見されていなかったが,経過中に発見された症例や,悪性腫瘍の寛解後,多形慢性痒疹が治癒した症例もあり,治療抵抗性の多形慢性痒疹では,悪性腫瘍のデルマドロームとしても,全身検索が重要であると考えた.
(「ポイント」より)

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