Japanese
English
特集 蕁麻疹・痒疹
腎盂癌の再発に一致して再燃した多形慢性痒疹の1例
Prurigo Chronica Multiformis Complicated with Renal Cancer
後藤 あかね
1
,
小林 憲
1
,
澤田 美月
1
,
二宮 淳也
1
,
伊藤 文夫
2
,
中澤 速和
2
,
藤林 真理子
3
,
田中 勝
1
Akane GOTO
1
,
Ken KOBAYASHI
1
,
Mizuki SAWADA
1
,
Junya NINOMIYA
1
,
Fumio ITO
2
,
Hayakazu NAKAZAWA
2
,
Mariko FUJIBAYASHI
3
,
Masaru TANAKA
1
1東京女子医科大学東医療センター,皮膚科(主任:田中 勝教授)
2同,泌尿器科
3同,病理診断科
キーワード:
多形慢性痒疹
,
内臓悪性腫瘍
,
腎盂癌
,
デルマドローム
Keyword:
多形慢性痒疹
,
内臓悪性腫瘍
,
腎盂癌
,
デルマドローム
pp.1989-1992
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001113
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72歳,男性。4年前より下半身に瘙痒を伴う皮疹が出現,2年前より全身に拡大した。臨床像ならびに組織所見から多形慢性痒疹と診断した。尿細胞診でclass Ⅴであったため,デルマドロームを疑い当院泌尿器科へ紹介した。腹部CTで右腎盂に腫瘍病変を確認した。組織学的には移行上皮癌でGrade 1に該当し,病期はpTaNoMo,StageⅠであった。腎盂癌の切除後,皮疹は一旦軽快したが術後3カ月頃に再燃した。同時期,膀胱内に腫瘍の再発があった。再手術後,皮疹は速やかに寛解した。本邦における多形慢性痒疹の内臓悪性腫瘍合併例の報告は8例あるが,腎盂癌の合併例は報告がない。自験例では,腎盂癌の再燃とともに皮疹が増悪し,治療により改善したことから,両者の関連が強く示唆された。
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