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増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014
4.皮膚疾患治療のポイント
多形慢性痒疹治療アルゴリズム
Therapeutic algorithm for prurigo chronica multiformis
片桐 一元
1
Kazumoto KATAGIRI
1
1獨協医科大学越谷病院皮膚科
1Department of Dermatology, Dokkyo Medical University Koshigaya Hospital, Koshigaya, Japan
キーワード:
多形慢性痒疹
,
ロラタジン
,
オロパタジン塩酸塩
,
マクロライド系抗菌薬
Keyword:
多形慢性痒疹
,
ロラタジン
,
オロパタジン塩酸塩
,
マクロライド系抗菌薬
pp.94-98
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103978
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要約 多形慢性痒疹は掻痒が強く,難治であるため皮膚科外来診療の中では最も避けたい疾患の1つとされている.筆者は多くの同症患者の診療を通じて独自のステップアップ式治療アルゴリズムを作成し,実際の診療に用いている.原則的に十分量の外用を試み,単剤の抗ヒスタミン薬,ロラタジン(クラリチン®)とオロパタジン塩酸塩(アレロック®)を中心とした抗ヒスタミン薬の2剤併用,マクロライド系抗菌薬の追加,紫外線照射もしくはシクロスポリン内服とステップアップする.自験例102名の解析では68%は抗ヒスタミン薬の2剤併用で,92%はマクロライド系抗菌薬の追加までで安定した状態となった.難治性疾患に対して明確な治療ステップを準備することは,苦痛の強い患者に安心感を与えるだけでなく,医療者にも余裕を持たせてくれる.また,本疾患の治療アルゴリズムは他の痒疹やアトピー性皮膚炎治療に応用することも可能であり汎用性を有している.
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