案件から学ぶ医療事故の対策と問題点
初診時誤診による皮膚症状の悪化例
向井 秀樹
1
1東邦大学医療センター大橋病院
pp.440-441
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002922
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・60歳代女性.1カ月前より捨てネコを飼育.仔ネコはジャレつき,前腕,頸部や手などを噛む.その後,噛まれた前腕や頸部に痒みを伴う湿潤局面を認めたためA診療所を受診.
・臨床像から膿痂疹様湿疹ないし貨幣状湿疹と診断し,抗菌薬の内服と薬効ランクI群のステロイド外用薬を処方する.
・いったんは軽快したように思えたが,次第に症状は再燃し周囲に拡大傾向を示す紅斑や膿疱を認める.
・A診療所の診療に不満を抱き,B診療所を受診.臨床像より真菌検査を施行,体部白癬や深在性の変化もあるとして,抗真菌薬の内服と外用を処方.急速に皮疹は改善し,1カ月後には色素沈着を残し略治となる.
(「経過」より)
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