日常診療に役立つ豆知識
酒皶をダーモスコピーで観察する
山﨑 研志
1
1東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
pp.84-84
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002817
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酒皶は「周期的に悪化する特徴的なパターンの顔面中央部の紅斑 central facial erythema」を特徴とする疾患で,難治性赤ら顔を呈する.顔面の紅斑・赤ら顔をきたす疾患はアトピー性皮膚炎,接触皮膚炎,脂漏性皮膚炎,乾癬,痤瘡,全身性エリテマトーデスや皮膚筋炎,光線過敏症などがあり,顔面の紅斑の鑑別のためには血液検査や皮膚貼布試験などの検査を必要とする.酒皶の診断に適した血液検査等のバイオマーカーはなく,赤ら顔の患者で酒皶を診断するためには,ほかの赤ら顔をきたす疾患の併存や除外診断を行う必要がある.忙しい皮膚科外来診療の中では,除外診断を必要とする酒皶・赤ら顔の診断は面倒なものであり,結果として酒皶の診断が適切になされずに医原性に酒皶を悪化させられてしまった患者にしばしば遭遇する.このような事態を避けるために,赤ら顔の外来診療にダーモスコピーを用いると簡便かつ仔細な赤ら顔の皮疹病態を観察することができる.
(「赤ら顔のダーモスコピー活用の勧め」より)
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